
オンラインカジノと税金:確定申告はするべき?
オンラインカジノで稼ぎ始めると、税金をどうするのかが気になりはじめます。
おおやけに「税金を払わなくてもいいですよ」とはもちろん言えませんから、ネット上には『オンラインカジノで稼いだお金は確定申告で一時所得として申請するべき』という答えがあふれています。
しかし、日本でオンラインカジノをプレイすること自体グレーゾーンです。オンラインカジノの勝ち額を申告して税金を払えば、「オンラインカジノでプレイしました」と公言し、税務署つまりは日本の政府にオンラインカジノから収入を得ることを認めさせるのと同じことです。
いろいろなサイトで、税金の計算方法が紹介されていますが、ここではもっと根本的な、オンラインカジノの勝利金額に対して税金を払う必要は本当にあるのか、税金を払うのであればどのように確定申告を行えばいいのか、いったいどの時点で収入が確定するかなど、オンラインカジノと税金に関する質問をいろいろな観点から話していきます。
オンラインカジノの儲けに税金はかかるか?
カジノの勝利金には確定申告が必要かを話す前に、他のプレイヤーはどうしているのか、ギャンブルによる収入はどのように処理すればいいのかを見ていきましょう。
他のプレイヤーはどうしてる?
日本のプレイヤーがオンラインカジノの勝利金に対して税金を実際に払っているかどうかは気になるところ。ツイッターでアンケートをとったところ結果はこのようになりました。
ほぼ半々ですが、払ったことがあると答えたプレイヤーの方が多いようです。これでもインターネット上では「オンラインカジノの儲けに税金は払うべきか」という質問で溢れています。
払ったことがないと答えたプレイヤーは、ただ単にオンラインカジノでまだ儲けていないだけの可能性もあるため、払ったことがあるといったプレイヤーは明らかに多数派ということになります。
ランドカジノの儲けには税金が発生する?
ここで例えば、マカオやアメリカのラスベガスのカジノなどで賭けて儲けた場合、獲得した金額に対して税金は払うべきなのかを見てみましょう。
オンラインカジノでプレイすること自体がグレーゾーンに当たるというのは、まだ浸透していないオンラインカジノに関する日本の法律に特に記載のないためです。そこで、海外でのランドカジノでの収入はどのように扱われているのかを基準に、オンラインカジノで税金を払うべきかどうかを元に検討することができそうです。
法律は、日本に納税義務のある日本住民は、例え海外旅行先であっても、収入は日本でお金を稼ぐのと同じ扱いで、それに対して税金を払わなければいけないと断言しています。つまり、オンラインだから、カジノの運営元・サーバーが海外にあるから、オンラインカジノで稼いだお金に対する税金が免除されるということはないようです。
国によっては、カジノで稼いだお金には税金がかからないと決めているところもあります。日本の法律では、宝くじに限り、勝った額に対する税金は発生しないという決まりはあります。
韓国のポーカートーナメントやマカオのカジノで勝った知り合いの話によると、現金で持ち帰り、靴下の中などにお札をつめて税関を通ったりすることもあるようですが、オンラインカジノではそうはいきません。

他のギャンブルの儲けには納税の義務が発生するか?
それでは、日本国内で許されている競馬やパチンコでの儲けに対しては税金が発生するのでしょうか?
競艇や競馬に関しては、日本の法律で認められているギャンブルなので、それによって得た収入は、一時所得として50万の控除枠が適用されて、確定申告でそれ以上の額を申請するということになっています。
しかし、必ずしも「一時所得」として確定申告を行うかといえば、そうでもありません。ですから、オンラインカジノの収入も一時所得として計上しなければいけないかというと、そうでもないことになります。これについては、後に詳しく説明します。
オンラインカジノの税金対策:確定申告の仕方
オンラインカジノの所得は確定申告しなければならないということを確認しましたが、ここではどのようにオンラインカジノの収入を申告するか、そして賭け額や損失額を経費とする税金対策について話していきます。
オンラインカジノの賭けた額は経費となるか?
一般的に、オンラインカジノの勝利金は一時所得と見なして確定申告します。
一時所得とは、営利目的ではない収入に対する所得区分です。オンラインカジノでの利益が一時所得に値するには、「儲けるつもりではなかったけれど、当たった」場合です。この際、経費として認められるのは、実際に利益を生み出すのに使われた金額です。
一時所得=獲得総額−経費−特別控除額(一年間で最高50万円まで)
極端に言えば、「今年は最後の最後で、20円でジャックポット1000万円に当たったけど、今年は700万円分負けてるから、今年の儲けは1000万円ー700万円で300万円だけ」という場合、負けた額が経費と認められるかといえばそうとはいかず、1000万円獲得に繋がった20円だけが経費として認められるとになります。
そして手元に残っていなくても、勝利金として払い出された1000万円を獲得総額とし、ここから控除額を引くなどして確定申告しなければなりません。
オンラインカジノの収入は一時所得ではなくて雑所得?競馬の税金はいくらから?
雑所得は一時所得とは違い、営利目的で行ったことに以外で発生する所得区分です。例えば、仮想通貨の取引で発生した収入なども、雑所得に相当します。一番最近の、はずれ馬券が経費として認められるかという件に対する最高裁の判決は以下の通りです。
最高裁平成29年12月15日判決は、本件の競馬の馬券の払戻金については、馬券購入の態様や利益発生の状況等から雑所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当する
国税庁ホームページより引用
つまり、オンラインカジノの負けた額も、経費として認められるには一時所得ではなくて、『雑所得』に分類されれば可能だということになります。
でも競馬や競艇での収入も「一時所得」に当たるのだから、どうしてオンラインカジノの収入だけ、一時所得にならないのか?と思う方もいるでしょう。
実は、競馬の負け馬券を「経費」とすることができるかどうかは、国税庁でも論議されています。
雑所得ってそもそも何?
雑所得とは、9種類ある所得区分のどれにも当てはまらないもののことです。一時所得は9区分のうちの一つです。
雑取得でオンラインカジノの儲けを計上するのであれば、一つ気を付けなければいけない点があります。雑所得には、一時所得の「50万円を超えなければ申請しなくても大丈夫」というものがありません。雑所得は一般的には20万以下であれば申告は不要であるといわれています。(正確には、給与所得者で年間収入額が400万円以下で、雑所得が20万円以下の場合)つまりは一時所得と比べると30万円も違いがあります。
しかし、オンラインカジノの損失額を経費として引くことができることを考えれば、結果的には雑所得として確定申告したほうが、実質的な手取りが多くなることも考えられます。

あらためて、オンラインカジノの損失額は経費となるか?
答えは、なんとも言えません。
雑所得では、競馬の負け馬券が経費として勝利金から差し引くことが出来ると言いましたが、オンラインカジノの負けた額は、経費となるかをあらためて考える必要があります。
日本でプレイすることがグレーゾーンに当たるオンラインカジノを営利目的でプレイしていたら、それがきちんとした収入元として認められるか、そこに論点が当てられます。
これにはまだはっきりとした法的な前例がないため、何とも言えません。
【各所得の対象】
一時所得 | 雑所得 |
---|---|
非営利目的での所得 | 他の所得区分に当てはまらない収入 |
【各所得の課税対象】
一時所得 | 雑所得 |
---|---|
一時所得の収入−その収入を得るために支出した金額−特別控除額(50万円) この合計を2で割ったもの | 雑所得の収入-経費 |
ネットギャンブルの税金:どの時点で儲けが確定する?
オンラインカジノの収入が雑所得とならず、一般的にいわれているように一時所得として申告される場合、どの時点での儲けを収入として申請すればいいのかが気になります。
ここで例を見ていきましょう。
1日目 | +5万円 |
---|---|
2日目 | -10万円 |
3日目 | +5万円 |
4日目 | +20万円 |
収支 | +20万円 |
この場合、まず勝利金ですが、確定申告をする上で、負けた額を経費と出来ない場合、実質の収支は5-10+5+20=20で、20万のプラスといいたいところですが、実際には、5+5+20=30万円で10万円の損失は無視されることになります。
1日目の内訳
1日目に5万円が手元に残りましたが、この日は実は4つのスロットをプレイして、4つ目のスロットで小さなジャックポットがでたりして、合計15万円が出ました。しかし、他のゲームで10万円分損しています。しかし損失額はカウントされないので、プレイしたゲームごとに収入を計上するのであれば、1日目の獲得額は5万円ではなく、15万円となってしまいます。
スロット1 | -5万円 |
---|---|
スロット2 | -5万円 |
スロット3 | -10万円 |
スロット4 | +15万円 |
収支 | +5万円 |
見てわかる通り、どこで利益が発生したとするか、年間、月ごと、日ごと、ゲームごと、ベットごとなのかと考え出すとキリがありませんし、この考え方によって収入にカウントされる数字も大きく変動します。
しかし、一番正確なのはベットごとです。ベットごとの儲け額を仮定して、見ていきましょう。
ベットごと(各ベットが300円だった場合)
1回目ベット | 0円 |
---|---|
2回目ベット | 1万円 |
3回目ベット | 500円 |
4回目ベット | 10円 |
上の例の1回目や4回目では、儲けが0または賭け額を下回るので、収入にはカウントされませんが、2回目では1万円を取得するのに使った300円を経費として引いて、9700円の儲け、3回目では500-300で200円の儲けというように計上していけば、税務署から何もいわれないことでしょう。
このような利益と経費の計算方法では、儲け額の合計は簡単に膨大になってしまい、1年に50万円は軽く超えます。結局最後にはマイナスになってしまっても、途中で勝った額に対して税金を払わなければいけないというのはおかしい話です。
ここにもまた正確な答えがありません。
「出金した時点で儲けが確定する」と言えば一番簡単で理にかなっていますが、それでは収入を得るのに関係ない額が既に引かれた状態になっています。勝利金を得るのと関係ないゲームでプレイした額や、負けた額が既に引かれた状態で出金するのであれば、やはり雑所得として申告したほうが簡単です。
ちなみに、税務署から収入の内訳を提出するようにと言われた場合、オンラインカジノにプレイ履歴を出してもらうよう要求することができます。例えばカジノミーでは、過去6年間に遡って情報を提供してくれます。ただし注意点として、カジノによってはこの情報を過去3ヶ月までしか算出できないというところもあるので、オンラインカジノのサポートに事前に質問しておくことをお勧めします。
まとめ

- 日本住民で日本に納税義務がある限り、収入に対して所得税を払わなければいけない
- 確定申告で一時所得として申請すると、控除枠や収入の約半分が非課税対象になるなどの利点がある反面、負けた額は差し引かれず、勝ち額の総額が課税対象となる
- 確定申告で雑所得として申告すれば、損失額を経費として差し引くことができる。しかしこの際、収入目的でオンラインカジノをプレイしていることが前提になるため、税務省がオンラインカジノをきちんとした収入源として認めるかは定かではない
よくある質問
可能性はあります。確定申告を行うことで、住民税も増え、税務署は申告内容を市町村区に通知し、会社に住民税増額に関する通知がいくことになります。もちろん収入源は書いてありませんが、副収入があることはバレ、競争会社で働いていないことなどを証明するために、収入がオンラインカジノからであると言わなければいけない状態になることもあります。
すべてのカジノではありませんが、サポートに問い合わせをすることで発行してもらえる場合があります。また、支払調書ではなく、収入の内訳をエクセルにまとめたものを発行してもらえる場合もあるので、事前にサポートに確認することをおすすめします。
オンラインカジノの収入は雑所得として考えられます。雑所得として申告する場合、オンラインカジノの損失額を経費として引くことができます。
ベラジョンカジノでは、支払調書の発行を行なっていませんが、サポートへ連絡して、ゲーム履歴と入出金履歴を発行してもらうことができます。
エコペイズではアカウント認証で日本の個人情報を伝えるため、税務署が連絡すればアカウントの内容を開示することがあります。そのため、支払い方法が海外にあるからといって、脱税に利用することはできません。
海外カジノの儲けにも税金はかかります。収入源や方法に関わらず、収入に対する所得税は居住国で支払うことになっています。
この内容は税務署のホームページの情報やアンケート結果などを参考に、個人的な見解を述べたもので、その真偽を保証するものではありません。詳しくは、税理士や税務署にお問い合わせください。