更新 2023年1月12日

IR汚職事件とは?衝撃の事件をわかりやすく解説!

IR汚職事件は、2019年後半に発覚した、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る贈収賄事件です。この汚職事件は、当時現職であった衆議院議員の秋元司氏が逮捕されたことで世間を騒がせた事件でもあり、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか?

ここでは、IR汚職事件についてわかりやすく、どのような事件なのか、事件の背景やその経緯を含めてまとめてみました。

IR汚職事件とは?

IR汚職事件とは、IR事業をめぐり当時IR誘致担当であった内閣府副大臣、秋元司衆議院議員(自民党)が中国企業から金品の受領や接待を受けたことにより、収賄の容疑で2019年に逮捕された汚職事件です。

IR汚職事件カジノイメージ

IR汚職事件の流れ

IR汚職事件をめぐる一連の流れを、時系列に並べました。

  • 2016年12月15日:総合型リゾート(IR)推進法が成立

  • 2017年7月:賄賂を渡していた「500ドットコム」が日本法人設立
    中国広東省深圳市に本社がある宝くじ販売会社「500ドットコム」が日本法人を設立

  • 2017年8月4日:「500ドットコム」主催のIRシンポジウムで秋元氏が講演
    沖縄県那覇市にて「IRと沖縄観光の未来」をテーマにしたシンポジウムを開催

  • 2017年8月7日:秋元氏が国土交通副大臣、兼内閣府副大臣兼復興副大臣に就任
    国土交通副大臣で、観光立国の推進など、内閣府副大ではIRを担当

  • 2017年9月28日:衆議院解散 「500ドットコム」から300万円
    現金300万円などの賄賂を直接受け取った疑い

  • 2017年12月:秋元氏ら議員がマカオ、「500ドットコム」中国本社訪問
    マカオのカジノ視察、「500ドットコム」経営トップとの面談

  • 2018年2月中旬:北海道留寿都村に秋元氏が家族旅行
    「500ドットコム」がIR誘致計画に投資を検討している北海道留寿都村にて、村長、北海道庁のIR担当幹部、観光会社の社長と面会
    家族旅行代金(宿泊費・旅費)を「500ドットコム」側が負担、さらに70万円相当の利益供与を受けた疑い

  • 2018年7月20日:IR整備法が制定
    カジノを含む統合型リゾート(IR)を整備する手続き、関連する事業の免許・各種規制、事業者の監督等を規定する法律

  • 2018年10月4日:秋元氏が環境兼内閣府副大臣に就任

  • 2019年12月25日:東京地検特捜部が秋元氏を逮捕

  • 2020年8月20日:東京地検特捜部が組織犯罪処罰法の「証人等買収罪」で秋元氏を再逮捕
    秋元氏が保釈中に贈賄側へ裁判でうその証言をするよう依頼した疑い

  • 2021年9月7日:東京地裁が、秋元氏に対して収賄に加え証人会衆の罪で懲役4年、追徴金約758万円(求刑懲役5年と追徴金約758万円)の判決を下す

IR汚職事件の背景

IR汚職事件の背景には、IR事業の仕組みが密接に関わっています。

IR事業は、国や地域の成長を担う一大プロジェクトです。そこで獲得できる大きな利権が、この汚職事件の要因となったと言っても過言ではありません。

IR施設整備区域は、全国で最大3か所となっています。そのすべてが稼働した際の経済効果は、施設の建設で5兆円あまり、運営で年間およそ2兆円ともいわれており、まさに巨額事業。

カジノで得た収益の15%ずつを国と地元の自治体に納めることになっており、2016年にIR推進法が成立すると、税収増を期待する複数の自治体が誘致に名乗りを挙げました。

収益の一部を国や自治体に支払うカジノ事業者にとっても、日本のIR事業はまたとないビジネスチャンスです。

カジノ事業参入権を手に入れようと、誘致に名乗りを上げる自治体に、積極的に提案・売り込みをしていた時期に起きた事件がこのIR汚職事件です。

賄賂を渡していた海外カジノ事業企業である「500ドットコム」側が、どのような便宜を図ってもらおうかと考えていたのかは表明されていません。

しかし、権力のある政治家の口添えを利用してカジノ運営事業者の選定を有利にするよう、自治体に働きかけることが狙いだったのではないかと推測できます。

IR汚職事件のまとめ

IR汚職事件は、IR事業をめぐり、カジノ事業者として参入するために自治体側に働きかけたい海外企業と、自治体に優先的に働きかける力を持つであろう政治家との間で起こった汚職事件です。

2021年9月7日、東京地裁は、判決当時現職の衆議員であった秋元氏に対して収賄に加え証人会衆の罪で懲役4年、追徴金約758万円(求刑懲役5年と追徴金約758万円)の判決を下しました。現職の国会議員が、実刑という異例の判決を受けたことで、世間を驚かせたことは記憶に新しいでしょう。

秋元氏の弁護側は、この判決を不服とし即日控訴しており、控訴審判決の行方が気になるところです。